元マラソン日本代表・加納由理さん、第2のランナー人生とは!?
- ikeda749
- 2017年7月4日
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資生堂ランニングクラブ出身で、2009年ベルリン世界選手権女子マラソン日本代表選手としても活躍した加納由理さん。2014年5月に現役引退後、自分自身と真摯に向き合いながら、ランナーとしての第二の人生をスタートさせています。そんな加納由里さんが2017年6月25日(日)開催のサロマ湖ウルトラマラソンで初100kmに挑戦、優勝しました。
現役を引退後も走りつづける加納由理さんに、ランニングの魅力、今後の活動などを伺いました。
周りの目を気にしていた現役時代

現役時代は常に何かに追われている感覚がありました。走ることにエネルギーを注ぎすぎているが故に、それ以外のことにエネルギーを使うのが嫌で、ストレスになっていました。人との交流に苦痛を感じることもありました。元々旅行が好きで、リフレッシュのためにレースの合間に予定を入れたりもしていたのですが、本当の意味で旅を楽しめなかった。走ることは好きでしたが、どこかに「〜ねばならない」という意識が強く、重くなっていっていました。
現役を引退するまでの3年ほどは、ケガに悩まされる日が続き、思うように走れないことが多かったです。また、チームに所属していると練習内容や走る時間帯なども周りと合わせることが必要になります。年齢が10歳くらい違う年下のチームメイトとは、疲労回復度も違うので、無理するとしんどさが増したり……。
全盛期のような結果が出せなくなっていても、走れていたときの結果というのは自分について回るので、周りの目が気になるということもありました。だからいったんリセットをしたいという気持ちでチームを離れました。
現役時代にいまのような自由な環境がもっとあれば、もう少し長く現役を続けられていたかもしれません。けれども、今は実業団時代のように、走ることだけにエネルギーを費やすのではなく、いろんなことをしていきたい。自分の周りには、自分を見てくれている人、応援し期待してくれている人がいるんだなと改めて感じます。
地域に貢献できるマラソン大会をプロデュース

現在、新潟県十日町市で来年夏、開催予定のマラソン大会をプロデュースしています。これは新潟県十日町市が主催するビジネスコンテスト「トオコン2015」に「マラソン大会で地域活性をする」というアイデアを提出したところ、新分野進出の部で優勝したことがきっかけとなって動きだしました。
私、加納由理プロデュースの新潟・十日町市のマラソン大会は『星峠棚田マラソン(仮)』。距離は片道と往復の2コースを作る予定です。片道6kmですが、ひたすら登りで、登り切らないと雲海が見えないので、がんばっていただきます(笑)。雲海はスタート時間が遅いと見られないので、朝4時半スタートにしようかと検討中。ランナーは前泊していただき、終わったら美味しいお米やお酒を楽しんでもらう、棚田からの景色の写真を撮ったり、温泉に入ったりして十日町市を満喫していただきたい。私たちは十日町市に田植え、稲刈りもしに行きましたが、地域の課題なども見えてきて、いろんな発見があります。
主催者側に立って初めて見えることは多いです。大会運営の裏側を知ることで、見方が広がるし、今後他の大会にゲストランナーとして招待されるにしても、大会との関わり方がより深くなると思います。
大会作りに関して、一緒に協力してくださっているアスリートは、吉澤永一さん(2003年パリ世界選手権20km競歩代表)。吉澤さんご自身も、西田隆維さん(2001年エドモントン世界選手権男子マラソン9位)とともに様々なマラソン大会を企画・運営されています。
私たちのような日本代表として走ってきた選手が引退し、ゲストランナーとしてだけでなく主催者側に回って大会を作り上げるというのも、新しいマラソンの形ですよね。走ってきたからこそ、周りが注目してくれる。その経験を活かして、これから地域を元気にするマラソン大会を考えていきたいです。
リラックスして走りたいときはキャタピラン

キャタピランとの出会いは現役を引退してすぐ、走るパーソナリティ、わかちゃんこと若林順子さんから勧められて使ったのが最初です。私は靴ひもは甲の部分はキツめに、結び目の部分は緩めが好きなのですが、キャタピランはその微妙な調整もできるし、締め付け具合もちょうどよい。特にリラックスして走るときいいですね。毎回靴ひもを結び直す必要がないので楽です。
私はシューズはミムラボの三村さんのオリジナルシューズを約20年間使っているのですが、練習でも試合でも同じ1足のシューズを履きます。キャタピランは色のバリエーションが豊富なので、同じシューズでも色を変えて気分転換できるのもいいですね。
普段履きでもスニーカーが好きでよく履くのですが、左右の足のサイズが違うのでどうしても大きめを選んでしまいます。大きめだと足が靴の中で動いて歩きづらいのですが、キャタピランをつけているとゆるくてもフィットするのもお気に入りです。
加納由理(かのうゆり)さんプロフィール
1978年10月27日生まれ。兵庫県高砂市出身。須磨女子高等学校、立命館大学を経て資生堂ランニングクラブへ。横浜国際女子駅伝では最長区間を区間新記録で走り優勝に貢献。初マラソンは2007年大阪国際女子マラソンで3位。北海道マラソン、名古屋国際女子マラソンで優勝し、2009年ベルリン世界陸上女子マラソン日本代表に(7位)。2014年現役引退。現在は「生涯ランナー」をモットーに、ランニングを通じて「運動する喜び」や「続けることの大切さ」を伝え続ける。株式会社ウィルフォワード所属。
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