プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」で、キャタピランの(株)ツインズと同じく千葉県船橋市を本拠地とする「千葉ジェッツふなばし(以下千葉ジェッツ)」。今回は千葉ジェッツの初代キャプテンとしてプレーをし、現在はゼネラルマネージャー・アンバサダーとして活躍中の佐藤博紀さんにインタビュー。バスケットボールの面白さと千葉ジェッツの魅力、佐藤さんご自身のバスケやチームに対する思いなど、たっぷり伺ってきました。
千葉ジェッツらしさを発揮して掴んだ、天皇杯2連覇!
2018年1月7日に行なわれた第93回天皇杯・全日本バスケットボール選手権の決勝でシーホース三河に勝利し、天皇杯2連覇を達成することができました。優勝という形で、応援してくれている人とともに地域が盛り上がるというのは、千葉ジェッツの存在意義として大変喜ばしいことです。チームの中心選手でポイントガードの富樫勇樹選手が直前の試合でのケガで欠場。選手11名で戦いに挑みましたが、西村文男選手が存在感を示し、キャプテンの小野龍猛選手を中心に、他の選手もしっかり自分のパフォーマンスを表現してくれました。改めて、バスケットはチームスポーツであると感じた勝利でした。
バスケットの試合はクォーター制で、1クォーター10分間×4の1試合40分間で行なわれます。その40分間でどれだけ自分たちのバスケットボールが表現できるか。誰しもが試合は勝ちたいと思います。しかし試合までのプロセスを大事にすることが重要だと感じております。負ける事もあれば勝つこともありますがその試合に向けた準備と試合の中で千葉ジェッツが目指すバスケットボールが出来ているかが大事だと思っています。しっかりとした準備と試合の中で出た課題を繰り返して行うことでチームはステップアップしていくものだと思います。
チームの目標達成のために、必要な環境を整えていきたい
千葉ジェッツは、「アグレッシブなディフェンスから走る」スタイルを掲げて戦うチームです。チームとは別に選手個人の目標もあると思います。クラブとしては選手とチームが一体となってやれる方向性を示していくことが求められます。
バスケットは冬がメインのスポーツで、Bリーグは秋に開幕し、春〜初夏まで行なわれます。試合が行なわれるのは主に週末土日で、ホーム&アウェイで年60試合。私もアウェイ30試合も含めすべて帯同しています。
シーズン中の選手は1日24時間をバスケット中心に過ごすことになり、寝るのも仕事となります。気持ちや体調の浮き沈みはありますので、ケアを担当するトレーナーがいたり、モチベーションをあげるような映像を制作することもあります。自分の現役時代のことを思うと、選手への環境は整えたいと思います。とことんサポートするから、選手にはどんどん成長をしてもらいたい。お互い求めることは厳しくなりますが、それがチームの、クラブの成長に繋がると思っています。
バスケの魅力は攻防の激しさとスピード感
私がバスケットを始めたのは小学4年生のとき。それまでソフトボールなどいろいろなスポーツをやっていましたが、ミニバスを教えている先生が赴任して来たのがきっかけです。中学で部活を決めるとき、野球部に入ることも考えていたのですが、バスケを選びました。点数はたくさん入るし、野球にはない攻防やスピード感が魅力でした。
私は小6で身長がすでに170cmありましたが、バスケットは高い身長の方が有利ですがバスケットをやるのに背が高くなければダメということはないです。千葉ジェッツには富樫勇樹選手という身長167cmと小柄の選手がいます。彼は彼自身のスピードを活かすためにアウトサイドのシュートを磨き自分自身の特徴を活かしています。そのように自分が活きるために何をしなくてはいけないのかはとても大切なことだと思います。
スポーツを上達させるためには、どれだけそのスポーツの特性を理解しているかという点が大切。バスケに関していえば、運動能力だけではなく、頭も使うスポーツだと思います。運動能力に頼って感覚でプレーするだけでなく、頭で理解した上で練習を重ねると、身体が反応するようになります。年齢を重ねると、瞬発力や走力など身体的に衰えることはありますが、頭は衰えない。だから頭の強い選手は選手寿命が長くなる要素の一つになります。
バスケットは点を入れていくスポーツで、目に見えるプレーに注目が集まりますが、頭を使った目に見えないプレーでチームに貢献する選手もいますし、そこを評価していくことは大切です。ずっと見続けていると、深いスポーツなんだと感じていただけると思います。
エンターテイメントとしても楽しめる、千葉ジェッツの試合会場
初めてバスケットを見る人は、まず点が入るのに注目するのがいいと思います。3ポイントシュートやダンクシュートは迫力があります。けれど、バスケットの面白さは試合だけに限りません。Bリーグの試合会場に足を運べば、各チームで様々な演出をしており、エンターテイメント的に楽しめるのが特長です。
千葉ジェッツに関していえば、今シーズンは全試合でプロジェクションマッピングでの演出を行なっていますし、チアリーディングや、試合の攻防に合わせた応援MCが試合を盛り上げています。経験者はもちろん、ルールを知らない観客であっても楽しめる仕掛けが満載です。
現在、千葉ジェッツはホームゲーム1試合平均約5,200人の観客動員があり、これはBリーグでトップを誇ります。バスケではファンのことを「ブースター」と呼びますが、千葉ジェッツのブースターは小学生の子どもから年配の方まで年齢層も幅広く、最近は若い女性も増えて来ている印象です。
大勢のブースターの中でプレーすることは選手のモチベーションにも繋がります。そして、これはスポーツの本質的な部分に繋がると思いますが、千葉ジェッツの試合を見た人の気持ちを豊かにしていきたい。バスケットボールを「するスポーツ」から「見るスポーツ」へそして「働きたいスポーツ」にそれは選手としてだけでなくフロントスタッフなど様々な関わり方はあると思います。5年後、10年後もバスケットボール界が盛り上がるリーグに。千葉ジェッツを通じて、そんな文化を作っていけたらと思っています。
脚が疲れないのが魅力、ケガの予防にも繋がる
現在、地域活動の一環として小中学生の子どもたちにバスケを教えにいくことがあります。そうすると既にキャタピランを使ってバスケットをしている子どもたちを見かけることが数多くあります。キャタピランをつけた靴を履くことが、その子どもたちの足になじんでいるのだなと思います。締め付けすぎないので、足指が使いやすく、ケガ予防にも一役買っているのでしょう。
バスケットボールの選手って足元の感覚に敏感です。靴の中で足がズレることが一番嫌で、僕はバッシュ(バスケットシューズ)にはインソールを入れるべきではないと思っています。シューズにしても靴ひもにしても、足になじむ感覚を大切にしています。
僕はキャタピランは大好きで、今は普段履きとして重宝しています。緩すぎず、キツすぎず、脚が疲れないのが最大の魅力ですね。黒でしたら仕事時のシューズともマッチして違和感ないところもいいですね。
プロフィール:佐藤博紀(さとうひろき)
1982年生まれ。千葉県四街道市出身。八千代高等学校→順天堂大学。大学卒業後2004年日本リーグ大塚商会アルファーズへ。2005年bjリーグ発足に伴い、大分ヒートデビルズに入団。2011年6月千葉ジェッツに移籍。初代キャプテンに就任し、4シーズンキャプテンを務めた。2014−15シーズン終了後に現役を引退、千葉ジェッツのアンバサダーに就任。2016年3月ヘッドコーチ代行に就任。現在はゼネラルマネージャー・アンバサダー。現役時代につけていた背番号0は千葉ジェッツの永久欠番。
千葉ジェッツ公式ホームページ https://chibajets.jp/roster/sato.html